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日々是ダンス。踊る心と体から無節操に→をのばした読み物


2008年6月号 京都の暑い夏2008ドキュメント



                    Football team!!

                                    レポーター:ふくいさちよ


Creation C-2 4/26(土)〜5/5(月・祝) 全9回
*5/6(火・祝) 18:00 ショーイング 
[概要] 身体が衝動的に、直感的に反応していく瞬間、エネルギーが混じり合い、交換され、豊かになるいくつもの分岐点を経験します。他者と次々に交差するなかで、その状態、関係性、変化を身体でとらえつつ各人固有が次の歩みへと向かっていき、ダンスが生まれていく過程を探っていきます。





 
  エリック・ラムルー(フランス/カーン)カーン国立振付センター(仏)芸術監督。カンパニー・ファトゥミ・ラムルーをパートナーのエラ・ファトゥミと主宰する。90年代のダンスを象徴するものとして評価されている。'90年『ユザイス』がバニョレ国際ダンス・コンクールで入賞。以降、次々と新作を発表し、アヴィニョン演劇祭、リヨン・ビエンナーレに招待されるなど、ヨーロッパ各地、アフリカ、アメリカなどで公演活動を行っている。'94年にはイスラエルの「バットシェバ舞踊団」にもワークショップを提供している。'99年フランス政府派遣アーティストとして、関西日仏交流会館に滞在。'04年京都芸術センター、コーチング・プロジェクトで若手のダンサーに作品を創作。'05年よりカーン国立振付センターのデイレクターを務める。'97〜'99 年以来のフェスティバル久々の登場。(提供:京都の暑い夏)
 


 まずは何より、エリックの存在感! くわっと見開いた目と、ハイテンション+大音量の声、まわりの空気をがっちりつかんで離さないカリスマ的な存在感。そして普段の動きからダンスがちらほらと、いつも踊っているようでした。
 このクラスは珍しく、男7人、女5人の男子の方が多いクラスでした。
 クラスの始まりはフロアワーク。エリックのお手本は、等速で、どこも強調されない(ガクッとかならない)動き、すべるようにカタチを変化させながら、するすると床を流れていく。重心をコントロールして、どこに力が入っているのかも見えないくらい、なんだか簡単そうにさえ見えてしまうほど。そして、音・リズムにのっていくワーク。アップテンポな曲にのせて身体を運んでいく。リズムにのせてスパッと身体が切りかわる。
 エリックの動きは、本当にカッコイイ!!
 長い手足で、のびるのびる、ぐんぐんのびる(ように見える)。限界までいって、スパッと動きが切りかわる。
 もっと動きを大きく。手をのばすのでも、もっと、もっと先へ。もっともっと、ここまで!=「Untill thi---s!! ウンチール(←フランス語読みらしい)、ディ〜ィィィス!!」と言いながら、エリックの身体はのびるのびる。
 

 
                                       Photo: 町田佳代子
 

 
                                       Photo: 森本万紀子

 Footballや、エクササイズ、スポーツの動きからつくったという振りを教わる。Footballの「ブラジル」という動きや、ここでヘディング、ダッシュ!! そしてアクロバティックなシューート!! しといて、ゴール前でキャッチ! して、またダッシュ! などと、ぱぱぱぱぱっとどんどん切りかわっていく動きの連続。質感を伝えてくれるハイテンション&大音量の擬音語が響きわたる。スニーカー履いて、ダッシュ。本当に部活みたい。
 次は、Footballダンス(のパーツ)を使って、ペアになり、動きをつくる。そのデュオ×6組が同時進行する空間で偶発的に起こるハプニングをエリックが拾い上げて、全体を組み立てていく。動きをくり返しては「Sto---p!!」がかかり、また繰り返していく。次第にまわりで次々と起こっていること、新たな関係やリズム、動きのきっかけが見えてくる。まわりの次々と起こる出来事、流れるエネルギーにのって、思いっきり動けるようになってきた。
 デュオで動いたと思ったら、誰かのリズムになっていたり、同時にどこかで始まったり、全体がいっしょになったり。
 全体で、思いっきり動いて、パッと止まる。あがる息もおさえながら、次の動きの起こりを感じとろうとする研ぎ澄ませた身体と透き通っていくような空気の感覚がとてもここちよかった。始まりの、スニーカーを履くところもとても好きな時間だった。
 

 
                                       Photo: 町田佳代子

 いっぱいいっぱいながらも、動きだすともう、止まらなくて。
 Showing後にはエリックが「Good team!!」と言ってくれた。本当に、ここちよいチームの一体感があった。
 終わって振り返ってみて、こんなクラスになるとは始まる前は全く予想できてなかったけど、football??!! に始まり、この勢い。とても濃い、怒濤の10日間でした。
 このエリックのFootball部クラスはもちろん、あのハイテンション、エネルギーは忘れられないです。アツイ!熱い!暑い夏!!でした。 Thank you Eric☆and good team!!

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