+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + テクストとインタヴュー構成：メガネ ダンスと世の中の関係は、この10年で確実に変わった。そう思うのはなにも、マス・メディアでダンスが頻繁に取り上げられるようになったからではない。さあ踊りでも始めましょ、というゆるい志向でもって一般の人がダンスに目を向けたときに、選択の幅が著しく広がったのだ。美容と健康と社交を兼ねるお稽古事の種類、かっこ良いダンスのスタイルは選り取りみどり。それと並んで、クリエイションや表現系のクラスのバラエティもかなりのものだ。自分の表現として踊ること、そしてアートとして踊りをつくることに興味を持つ人の選択肢が、モダンか舞踏しかなかった頃とは隔世の感がある。 こういったダンス環境の一端をなしているのが、1990年代からこの方、主にコンテンポラリー・ダンスの普及に一役買ったワークショップ文化だ。突き抜けた個性を重視するアート、閉じられた集団内で伝授される特殊な身体技術。参加と体験を重視する短期間の集まりが、そういった特別なものとしてのダンスの敷居を低くしたであろうことは、想像に難くない。 興味をひかれるのは、ワークショップに集い、ダンスの技術や表現を楽しむ人々の層の広がりや関心のあり方だ。ブリリアントなダンサーやアーティストになることを目指しているようには決して見えない彼や彼女が、コンテンポラリー・ダンスのワークショップから何を持ち帰っているのか。その答えの中に、この実体の定かならぬダンスの文化としての価値や意味が隠されているかも知れない。…なんてことを考える前に、実際のワークショップはどんな雰囲気なのか。表現やクリエイションのクラスで何を教わることができるのか。そういった具体的なことから、まず知りたい。 そこで今回dance+のメンバーは、毎年ゴールデンウィーク前後に開催されるダンス・ワークショップ・フェスティバル 「京都の暑い夏 Hot Summer in Kyoto」 の協力により、参加者や講師へのインタヴュー、クラスの体験レポートをさせてもらうことにしました。ここを取材するのは、今年11年目を迎えるこのワークショップ・フェスティバルが、その規模と独自のプログラムで、1990年代以降の関西における、コンテンポラリー・ダンスへの入り口のような役割を果たしてきたからです。 その準備として、今号では「京都の暑い夏」の紹介も兼ねて、そのユニークな成り立ちと10年を迎えての新しい試みについて、立ち上げ時をよく知る講師のサンチャゴ・センペレさんと、事務局代表の坂本公成さん、森裕子さんおふたかたにうかがいました。 そうしてフェスティバルが終わる6月には、講師へのインタヴューやレッスンの体験レポートをお届けする予定です。現在、参加者の中で執筆にご協力いただける方も捜していますので、興味を持たれた方は、 danceplus_info@yahoo.co.jpまでご連絡ください。 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + ビデオサロンのお知らせ 4月22日、5月2日には、ワークショップの合間にビデオダンスの上映会を企画しています。ワークショップの合間にクールダウンしたい方、あるいは、たまたまセンターに来られる用事のある方、どなたも気軽にお立ち寄り下さい。 京都の暑い夏2006 京都国際ダンスワークショップフェスティバル「ビデオサロン」 ワークショップ講師の作品ビデオや、事務局蔵出しの貴重な資料映像など、国内未発表作品、イチオシ作品などをセレクト！ 日時：4/22（土）19:00-21:00　5/2（火）16:00-18:00 場所：京都芸術センター　フリースペース 料金：無料　出入自由 構成：dance+ 詳細はこちら http://www1.neweb.ne.jp/wb/hot-summer/h_s/h_s_j_special.html#video