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日々是ダンス。踊る心と体から無節操に→をのばした読み物


34 アジアの現在 LIVE ARTS BANGKOK


《8月4日 13:00-16:00 @同スタジオ》

 リハーサル4日目。この日、通訳はなく(私がところどころお手伝いする)、今回のイベントの仕掛人、タン・フクエン(以下フクエン)が様子を見に来る。今回のイベントの出演者を決めたのがこの人である。この日の2人は振り付けをより詳細に検討して行く作業に入っていた。

■ フクエンにきく

 シンガポール人のフクエンは、SEAMEO-SPAFAのスタッフ。今回のパフォーマンスイベントのような、タイの文化遺産と絡めたパフォーマンスイベントの企画・制作のほか、映画関連の雑誌編集を手がける。


 
 
 
                             今回の仕掛人フクエン(写真左)とドッジ


SPAFA
東南アジアを中心に11カ国の加盟国によって成り立つ組織SEAMEO (Southeast Asian Ministers of Education Organization)のRegional Centre for Archaeology and Fine Artsのこと。東南アジアの考古学と芸術分野において文化遺産の保存に尽力する組織である。このプロジェクトは、1985年に発足し、SEAMEO Project in Archaeology and Fine Artsの頭文字をとってこう命名された。


いわさわ 「公演場所がギリギリまで決まらなくて大変だったそうですね」

フクエン 「今回は場所探しが大変でした。SPAFAのイベントでは何か伝統的な遺産とのコラボレーションが絶対条件なので、パタラワディー・シアター(のような現代の劇場)を使う事はできなかった。結局、クックリットハウスとサイアムセンターを使うことになったのだけれど、それがかえってよかったと思っています。とてもいい場所です」

いわさわ 「どうして今回トンチャイ(ボイ)を起用したのですか? 彼との出会いは?」

フクエン 「3年前偶然彼のグループ「コモンラグーン」の公演で作品をみて、いいと思いました。それで、僕は、実は彼とは全然面識がなかったんですけど、公演がおわって(→終って)すぐ、『ハロー』って挨拶しに行ったんです。それが出会い。彼は、実にポテンシャルの高いアーティストだと思ったので、もっともっといろいろな経験をさせたいと思っていました。彼には、独特の個性もあるし、いろいろなものを吸収してほしいと思っています」

いわさわ 「残さんとはどうやって知りあったのですか?」

フクエン 「2007年2月に東京で行われたアジアダンス会議に出席していたとき一緒だった日本の舞踊批評家、古後奈緒子さんの発表の中に残さんの紹介があって、興味を持ったのです。会議の後、僕は京都へ行って、残さんと初めて会いました。(通訳を介して)直接会って話をしただけで、『彼はいい』と僕は確信しました。その後、残さんの作品のDVDを見せてもらって、これは本当にいいと思いました。僕にとって、残さんの良さというのは、作品にコンセプチュアルな構造conceptual structureがあるところです。僕は、そういうアーティストを求めていました。残さんは、まさにコンセプチュアルで、とても厳密な姿勢で作品に臨む人。そこがとてもいいんです」

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