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光島さんは、今されている活動が社会的にどのように広がっていったらいいとお考えですか?ご自身の手法だとか、スタイルだとかに対して、どのように考えておられますか?

前はね、視覚障害者に紹介していくとかっていうのは、まず面倒くさかった。

説明が長くなりますもんね。

と思っていた。ただ2年程前から視覚障害者の人向けのワークショップをテープとかを使ったりする形でやりはじめたんですよね。僕の絵を描く手法をワークショップという形式で伝えてみようかと。それまでも"触覚絵本"みたいなものをつくるワークショップを晴眼者向けにやっていたりはしたんですが。今は見えない人や他の障害をもっている人とも何か一緒につくっていくことをやりはじめています。う〜ん、最初はそれって"先生っぽい""講師"みたいな感じで、ちょっと嫌だったんですけどね。


嫌やったんですか。わははは。

気恥ずかしいのもあるし、僕が人から教えてもらうのが嫌いな人でしょ。自分で盗んで来る方がいいっていう。

それはそうですよね。

昔、教師を目指してたわりには、人に何かを教えるってことに抵抗があったんで、迷いを感じながらやりはじめたんですが、やってみたら教えるというよりも、結構みんな好きなように。

"勝手にやってくれ〜"って。

素材さえあれば面白くやる人もいるし、大胆な作品をつくる人もいるので、面白いなと思っているんですよ。手法だとかスタイルを紹介していくことも必要だなぁと。思いもかけないことが、ふっと経験出来たりするので、僕自身にとってもプラスになっています。

光島さんの活動が"視覚障害者の作家"として提示されていく中で、受け取った側がいろんなことを考えだす所謂"気付き"が起こると思います。「えっ、今まであんまり意識してなかったけど、見える事ってどういう事?」「見えない事ってどういう事?」みたいなところから、哲学的な認識の問題に至るまで、ついつい考えちゃうんですよね。光島さんはある種トリックスター的なところがあるんじゃないですか?ご本人はそこまで意識されていないとは思いますが。僕はそこがすごく刺激的で、めっちゃ面白い所だと感じます。

いろいろな事をきっかけにして、そういう事を考えてくれるっていうのはありますね。

実際、私も"光島さんに影響を受けたんだなぁ"と思いますもん。

僕にとっては、見える人の世界っていうのが"異文化"として興味がある。

異文化ですか。へぇ〜。

そう。僕にとっては見える人の世界が異文化として存在しているんです。それと同時に、僕の見えない世界っていうのも自然に伝えていっていることになっているわけですよね。異文化どうしのやりとりというか、"僕も見えない世界を教えてあげるけど、見える世界も教えてよ"っていう感じの。

文化交流や!

わははは。異文化どうしの文化交流は、面白い!ですね。
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