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日々是ダンス。踊る心と体から無節操に→をのばした読み物


26 京都の暑い夏2007ドキュメント Vol.1


                 夏い京都の暑

                                     レポーター:老木悠人


 僕は4月27日から5月6日まで毎日京都に通っていた。自分のスケジュールと合わせて取れる限りを取ってみた。睡眠時間より踊っている時間のほうが長い日もしばしばあった。普段の食事よりも、会場で無料提供される「毎日果実」(協賛:グリコ)からの摂取カロリーの方が多くなっていたと思う。
 朝起きて、慌てて家を出て電車の中で朝食をとり、クラスを受けて昼食、そしてクラス、クラス、クラス、トークセッション。帰りの電車でその日にやったことをノートする。家に着くのは12時を過ぎていた。夕食をとると、寝るのは1時を過ぎる。そして朝起きて、慌てて……。そんな日の繰り返しだった。

 とても充実した10日間だった。幸いにも、受講者の人の多くが体験した、名前を書いたテープがきれいにはがれない、ということも一度もなかった。唯一心残りなのはビデオサロンを見られなかったこと。イニャーキのクラスと重なっていて見ることができなかった。
 けれども、とにかく5月6日のイニャーキのクラスを受けて、あとはコンタクト・ジャムを残して僕の暑い夏は終わった……かに見えた。

 次の日から普段の生活が始まると、どうにも寂しかった。踊り明かした10日間から、踊りと縁遠い日々。麻薬のようにダンスが恋しくなってくる。あまりに寂しくて、行く予定のなかったインゴのクラスにも飛び入りで参加してしまうほどだった。
 やっぱり踊るのは楽しかった。そして最後にコンタクト・ジャムに出て、自由に踊った。そうして、なんとか身体も落ち着いて、次の日からやっと普通の生活に戻ることが出来た。

 「京都の暑い夏」ではそれぞれの講師がそれぞれに魅力を持っていた。それを顕著に感じたのがビギナークラス。そしてこのビギナークラスこそが「京都の暑い夏」の一番の特徴だと思う。毎日まったく違った考えを持つ人から教えてもらうことが出来る。「9ヶ国語を話そう」と称して、ビギナークラスの後にはトークセッションがある。一度にこんなにもたくさんの人の考えに触れる機会はそうないだろう。
 そしてビギナークラスを受けて、トークセッションで話を聞くと、この人のクラスを受けておけばよかったと思わされることもしばしばあった。講師全員が、ダンスする背景には勿論、それぞれの考え方があり、話を聞くと、その人の踊り方、教え方が納得できる。本当にこの二つはセットでとても丁寧で親切な企画だと思う。

 そして、どのクラスを受けても興味深く、新しい発見に満ち溢れていた。講師から受講者への一方通行ではなく、お互いに空間をシェアしていく感じだった。今思えば、主催者の視点が講師側ではなく、中立、そしてやや受講者寄りのような気がする。
 こんなにも暑く夏を感じたのは初めてだった。「京都の暑い夏」にかかわる人全てに感謝とエールを送ります。

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