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チェブラーシカは“チェブ”の愛称で親しまれ、去年の映画公開をきっかけにあっという間に日本の人気キャラのひとつとなった。これを、日本に紹介した張本人がこの吉田久美子さん。一見、お洒落でかわいいお姉さん、といった風情の彼女。
知り合ってから数年経つのだが、いつも自分の好きなものにまっすぐにとび込み、奮闘しているその姿は、みていて本当に清々しい。今回はなんと自分でカフェをつくる!と大阪を離れ、単身上京してしまった。ここ数年、ゆっくり会えずじまいだったが、この際あらためて彼女に話を聞くことにした。
8月5日(月曜)のカフェ・オープンを控えた約2週間前の7月某日、彼女に会った。

今回、取材という名目もあったが、
ランチでも一緒に…と最寄り駅である三軒茶屋で待ち合わせ、
ここからの眺めがめちゃいいから、と彼女に誘われるまま、
キャロットタワー階上の展望もできるレストランで本当に久しぶりに話をした。

三茶は、自分がかつて住んでいた所からも近く結構馴染みの土地だ。
…ホンマ、そのまま暮らしてたら近所やったのにね。

昨年の春以来なのでかれこれ、1年ちょっとぶりの再会。

その前の時も1年半ぶりくらいで、彼女が吉本興業を辞めた直後。
『チェブラーシカ』大阪公開のための試写会場で顔を合わせ、少しだけ言葉を交わした。
自分も永年住み慣れた東京を離れ、新しい土地・大阪でやっと動き始めた頃で、お互い、以前会った時とはとりまく環境がかなり変わっていた。

またその前は彼女が初めて配給を手がけたアニメ界の巨匠ラウル・セルヴェ監督御本人を招いての映画公開の記者発表の会場=ベルギー大使館に招待を受け、参加した時だった。

会っていなかった時期は、メールや電話では何度かやりとりをしていたりもしたが、どちらかというと、雑誌などのメディアや知人の話を通じて彼女の様子が伝わってきた。
たまにHPをのぞくと、新しい情報がUPされていたりした。
ちょうど約1年前の7月21日(土曜)、
『チェブラーシカ』は東京・渋谷のミニシアター・ユーロスペースで公開された。
夏休み、しかもデイタイムの全日ロードショー。
彼女の夢がひとつ叶った日。
陰ながら、よかったね…とおもった。

その後の展開は、周知のとおり。
特に、OLや10〜20代の女性を中心に“チェブラーシカ”は、世に知れわたりあっという間に、人気キャラクターとなった。
映画も、スターも出ないようなものとしては異例にもワイドショーなどでも取り上げられる程の大ヒット!
チェブは、最近まで全国各地の主要ミニシアターをまわった。
ちょうどこのインタビューの日も、東京・新文芸座(池袋)で特集の中での上映があった。

この春、待望のビデオとDVDが発売され、さらに話題をさらった。
自分も、プレゼント用と初回限定スペシャルパッケージ版を予約して購入した。
まわりでどんどん評判になっていくのをうかがいながら…

明らかに、いろいろあっただろう。

住居兼事務所兼カフェ。
今年の春、「東京、リベンジやねん」と彼女は大阪を出た。
その言葉の意味の詳細はよくわからなかったが、
カフェのことは、しばらくして共通の知人から聞いて知った。
「え、カフェ!?」どーなるんか…と少し気にはなりながら。

連れられて着いた場所は、まだカフェという形にはなっていない
以前は牛乳屋さんだったという“グリコ牛乳”の看板を掲げたままの一軒家。
大阪の道頓堀を彷彿とさせる、あのマークが堂々と主張している建物だ。

案内され、中に入る。
事務所といっても、机がひとつだけあるいわば、お部屋のような感じ。
お家の中…といった風の居心地のよさを感じながらすっかりくつろぎモードに入った。
いかん、いかん…オシゴト、だ。

「はい、チェブラーシカジャパンです」
電話に出た彼女は、標準語だった。
ちょっと意外だったので、思わずツッ込んだ。
「そうやねん…」
と言ったかどうか忘れたが彼女は軽く流した。

インタビューの間にも、宅急便屋さんが来たり電話が入ったり、何度か話が中断した。
ここは、オフィスなのだ。
アルバイトのスタッフが週に何回か来ているようだが、ほぼ毎日ひとりだそうだ。

最近はともかく、彼女のこれまでの奮闘をみていただけに
あらためて色々聞くのもヘンな感じだったのだが、
お菓子を食べながら、まったりと、ぼつぼつインタビューをしていった。

 

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