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大阪市都島区で住民の人といっしょに地図作りをしているそうですが?
住民が自ら取材をして情報を発掘し資料を集めてるんです。その集まってきた情報を整理して編集するのが阪大の学生7人ほどのスタッフ、それをOPUSクリエイティブデザインスクールの学生さんがデザインするというシステムです。テーマごとに6班に分かれて進めていて、地図は6つ出来る予定です。単なる地図というのではなくて、歴史やインタビューなども盛り込んで、それぞれがおもしろくなりそうです。デザインが一つずつ違うんですけど、折りたたんで一つのケースに入れて持ち歩けるようなものに仕上げる予定です。せっかく作るならいいものにしないと活用してもらえないし、残らない。そのためにもワークショップの後は必ずフィードバックのための会議をする。大変ですけどね。でもやっぱり現場で得ることは大きいですよ。

永田さんがこの企画を持ち込んだんですか?
これは恩師である鳴海邦碩教授(阪大)からの話で、「まちづくり学習会」のコーディネートという興味深い仕事だったんですが、コンサルフィーとしてはちょっと考えてしまう額だったんですよ。でも実績になるからやってみたらどうかって言われて引き受けたんですけど、どうせやるならおもしろいことをしたいということでこういうことになってるんです。大変ですけど、やっぱりいいもの出来る方が嬉しいし、やりがいもありますからね。最初は、本気で悩みました。ちょっと負担が大きすぎるかなあって。事務所の経営を考えたらちょっと難しい状態だったんですけど。でも今後、大きな展開になっていきそうなので、やることにしてよかったと思ってます。

 他にも竹中工務店時代から5年ぐらい取り組んできたテーマで、これまでチャンスはあったのですがなかなか実現できなかったプロジェクトがあるんです。空室になった中・大規模なオフィス空間を小割にして、SOHO事業者つまり個人事業者用にリニューアルしようというもの。企画のポイントは、デザイン特化ではなくアイデア主体で入居者の創造力を掻き立てるようなオリジナル性の高い内装計画にしていることと、最近の犯罪の多さへの対応から、SOHOビルとしては異例のセキュリティーシステムを実現していることです。内装のアイデアとデザインを簡単に述べると、基本的にはスケルトンに近いものになっていて、天井はスケルトンに照明はスポットライトの照明(可動、及び追加可能)壁は1面が腰高から1m20センチのところまでホワイトボードになっていてメモを書き込めたり、メモをマグネットでとめたりできるようになっています。またもう一面の壁は構造用合板(ベニヤ板みたいなもの)になっていて、自由にペンキで色を塗れたり、穴をあけて棚を作ったりできるようにしています。いわゆる使える壁ですね。そして床は3パターンあって、自由にラグマットなどをひけるよう、ホワイト系のフローリング、白のPタイル、パンチカーペットなどになっています。各ブースのフロント部分はガラスになっていて、プライバシー確保の為内側にロールスクリーンを仕込む予定になっています。また各フロアに共用スペースがあり、打合せに利用できるようオリジナルの什器を設置する予定です。1階テナントにスターバックスが入ることも決まっており、応接室としてスタバを使うことも可能です。セキュリティー面は各フロアに入るのに指紋照合しないと入れないようにする予定で、おそらくこうしたSOHOビルでは画期的な事例だと思います。一般的にSOHOビルだとセキュリティはずさんで、僕の事務所も廻りの事務所がピッキングなどされていて不安も多いのですが、これから先をみてこうした防犯上の対応が不可欠になるというオーナーの意向もあって実現しています。部屋の広さは4坪〜6坪程度で価格帯は共益費込みで6.5万円〜10万円程度になる予定です。もちろん個別空調、24時間利用可能です。
2003年1月ぐらいから申し込みを受け付ける予定で2月1日にオープンの予定です。
1月には内覧できるブースも1ブース作る予定ですので興味のある方はよろしければ見にきてください。
ワークショップの様子
永田氏

OPUS:オプス クリエイティブデザインスクール
ミランダというデザイン事務所が運営しているデザインスクール
一般市民のレベルで言ったらアートとかデザインはまだまだ溶け込んでいないことが多くて、まちづくりにももっとリンクしていくべきだという考え方が共通していて、予算は少ないんですけど、実験的なのでおもしろそうだということでいろんなプロジェクトに参加してくれてます。
http://www.opus-school.com/

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