本宮祭が終わり、いよいよ渡御列の出発。催太鼓はチェーサジャーのかけ声も勇ましく、太鼓を打ち鳴らし、境内を練り回った後、先頭に立って宮を出る。渡御列の最後を飾る鳳神輿、玉神輿も出門の前に境内で激しく担ぎまわり、空に何度も突き上げる。担ぎ手たちに水が柄杓で投げかけられるが、燃えた身体はすぐに乾いてしまう。その熱気を抱えて神輿は街に出て行く。
陸渡御は三つに分かれている。催太鼓に始まる第一陣は、猿田彦、釆女、稚児、牛曳童児など、時代絵巻さながらに連なる。第二陣は総奉行、前行などの騎馬に続いて、平安時代の貴族の乗り物、御羽車、さらに祭りの中心となる御神霊を奉安した御鳳輦が登場。そして第三陣は鳳神輿、玉神輿。ふたつの神輿が勇壮さを競い合いながら進んでいく。数千人が参加しての渡御は、時にゆったり風雅に、時に激しく熱く、沿道の見物人を飽きさせない。
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