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未知の街ー大阪ーへ… “かよん”がおくるとっておきハコ物語。


File#27 アトリエ・ファミーゴ

“馬”がいっぱいの一角を抜けると、
今回の案内人・小崎氏の部屋が・・・
彼のみ、ココで寝泊りしているという。
所謂、居住空間。

・・・だが、予想をはるかに超えて
其処は日常どころか、“非日常”空間だった。

自らを図画工作員と称し、
“カイロプティック商會”の弁士たる顔ももちながら
その映写機等の機材類、小道具、衣装、看板等々
そして、かつて自宅が鉄工所だったという
彼が手がけた鉄をつかった、主に木製の作品の数々・・・

まるで博物館の如く。

部屋に入るのも、初級コースと上級コース(1階から梯子!)
といったように仕掛けられてあった。


※以下、展示されていた“解説” より転載

活動弁士・小崎泰嗣(こざきたいじ)の部屋

■活動弁士について
ひと昔(明治末〜昭和はじめ)、
「映画」が日本にやってきて間もない頃は
動く写真、すなわち「活動写真」と呼ばれ
人々に親しまれていました。
その頃は今の「映画」のように、
一本のフィルムに音と映像が入っているモノではなく
映像だけが収録された、いわゆる「無声映画」といったモノで、
上映の際には、三味線やらクラリネットなど
色々な楽器を合わせた和洋合奏団(わようがっそうだん)の生演奏と、
上映中にスクリーンの横で内容の説明やら登場人物のセリフを語る、
活動弁士(かつどうべんし)がつきました。

■活動弁士 兼 映写技師 小崎泰嗣(こざきたいじ)について
1976年生まれ。
主には舞台での役者をしていたが、大の骨董好きが講じて
2003年に関西屈指のおもちゃ映画
(大正〜昭和初期に家庭用として売り出された小型の映写機・フィルム)
コレクターの松本夏樹と出会い、
同氏が立ち上げたカイロプティック商會に入門。
以降、より広い年齢層によりたくさんの人に、をテーマに
改良し続けた結果、
現在日本で唯一の活動弁士 兼 映写技師というスタイルが確立される。



さらに、傍らにはキャプションつきで・・・

活動弁士 ノ 映写機 カバン

映写機・フィルム・拍子木・台本・修理道具・その他
もろもろ詰め込んで、いざ、どさまわりへと出掛けます。



昨年は、残念ながら行けなかったのだが
@藤井寺にある道明寺天満宮での梅祭りの際に

出張ワゴン“ニッケルオデオン・ワゴン”
=通称 道明寺移動型手廻し活動寫眞館


が登場するのだという。

先だって、久しぶりに@南港でおこなわれた
維新派の公演の際、屋台村にも登場したそうで
その動員が、かつてないほどすごかったらしい。
着実に、“おもちゃフィルム”体験者は増えている・・・

そうして、小崎氏はまた、仲間と新たに
「発声(ものいう)ムジカ」という劇団をたちあげ、
この秋、長堀にできた新しい劇場=アリス零番舘-ISTの
<オープニングフェスティバル>参加として
劇に、映画に、紙芝居というカタチで公演をおこなう。
こちらも楽しみだ。


※以下、“フィル遊園”flyerより 抜粋・転載

カイロプティック商会×発声ムジカ×今地球(こんちき)堂
「フィル遊園」
12月22日(水) 20:00-開演
12月23日(木・祝) 15:00-/19:00-開演

演出 小崎泰嗣(カイロプティック商会活動弁士、発声ムジカ代表)

発声ムジカ :ナーコ タナカ・G・ツヨシ 小崎泰嗣 
今地球堂 :山本握微 河野美苗
カイロプティック商会興行師 :松本夏樹

アリス零番館-IST(ありすぜろばんかん-イスト)
大阪市中央区南船場1-16-2 ふぁみーゆ南船場B1F 
ticket@alice-zero-ist.com



そうこう眺めているうちに
お隣に住まれている、松本夏樹氏がいらっしゃった。
今年のあたまの、ロヲ=タァル=ヴォガ final公演
ART COMPLEX 1928 @京都以来なので
約1年ぶりくらいだ。

松本氏とも、かれこれ5年程前、
平田氏を通じて初めて、@東京・表参道のギャラリーで
おもちゃフィルムというものを初めてみせていただいて以来、
なんだか不思議なご縁だ。

談笑していると時間を忘れそうなくらいで、
早くも帰る時刻になり
短くも濃い時間をたっぷりと堪能させていただきました。

では、また後日・・・

帰りもまた、小崎氏の運転する自転車の後ろに
乗せていただき、電車は往きとは違った経路で
割合、思ったより早く和歌山に到着。



□最終日

電車に乗って、駅からは
うろ覚えのまま、徒歩でトコトコしていった。
道すがら見わたしながらいると、
土地柄なのか、大邸宅が多くあって
休日=祝日でもあり、
とても閑静な住宅街といった風情。

昼下がり、夕刻も近づく中
なんとか、現地にたどりつき、
今度は、割合、ゆっくりと
日差しを浴びるfamigo空間を味わわせていただいたのでした・・・


※以下、入り口の掲示より 転載

Famigo展

どうぞ中に
お入りになって
ご自由にご覧下さい。



※以下、手書きの案内文より 転載

そんなこんなで この家をお借りして2年半。

夏暑く、冬寒いこの家が
何故か居心地よく思えます。
陽射しの移ろいを見ているのもあきません。
蚊が腕にとまるのがわかるようにもなりました。
ここで制作してきた時間が何にもまして
私の宝物です。
そんな風景の中に居る自分が
いつか風景そのものに
なりはしないか、考えている途中です。

今日は見に来てくださって、ありがとうございます。
お茶など飲みながら
ゆっくりして行って下さいませ。

晴木皮淑子



松本氏の親戚で
かつてfamigoの家に居住し、現在の持ち主である
造形作家・西村浩幸氏が、湯河原に移り住んで主宰するという
アカデミアナッツ www.accademianut.com

こちらもとても気になるところ・・・

垣根にかかった表札
西日があたる入り口付近
夕刻間近のfamigo前付近
戸にご案内が
奥より、入り口付近を眺める蔦がからまる家!
本日のお客様とちょっとガーデン(軒下)パーティ風情で
看板とレンタサイクルの自転車たち近所を散歩中の大きな犬に皆がくぎづけに!
芳名帳
西原尚美さん アトリエ&作品(平面)
階段上から階下をのぞむ
佐多良江さん アトリエ&作品(平面)
窓の外にも象(人)形が
2階から階下をのぞむ
階段をのぼったところで迎えてくれる巨大馬=キリン?(人)形
かよんにもらわれていく馬(人)形がそろそろみんなにお別れを・・・
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