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 僕が下駄屋だけやってた時期は平和な時代で、大学出たら会社入って一生そこで終わって、途中で家買って、結婚して、子ども作って、老後を迎えて、っていう本当に安定した一直線上の世界やったんです。だけど今やずたずたになってしまって。これから一生勤める会社なんてないと思いますし、もう大企業の時代じゃないですよね。でも今の方が絶対面白いんやと思います。世の中平凡じゃないだけにね、何か変わったことやるにはチャンスがある気がするんですよ。それをチャンスと思うかピンチと思うかっていうのは捉え方次第です。
 だから、これからは接着剤の時代やと思っています。かっこええ言葉でいうたらインターフェイスって言いますよね。これから何かしていこうって思った時に、小さいところがいっぱい手つないだらめちゃくちゃ面白いことができるやろなと思うんですよ。今の時代、技術持っている人は沢山おられます。その溢れている技術の、どことどこをひっつけたら何ができるねんやってことを小さい企業が一緒に考えられる時代が来ています。だから僕はそういう芽が出るところに常におりたい、って思うんです。自分とこだけやったらできないけど「ここと、ここと、ここひっつけたら何かできるんとちゃうか。」っていうことをやれば結構面白いことできるんじゃないかなって思います。
 例えばどこかで、ジャズ喫茶でライブするとします。どっかからオーディオメーカーひっぱってきますでしょ。そして、どっかからスクリーンとかの映像のメーカーひっぱってきますでしょ。そして、場所をどこか提供してくれるところをひっぱってきます。そして僕、ミュージシャン呼んできますでしょ。それでもダメだったら、面白がって応援してくれるスポンサーを見つけます。これでジャズライブができる!
 
 きっと、大企業の中には技術を持っている人はいっぱいおられるんでしょう。だけど大きな会社入ってたら動きがとりにくかったり、小回りが利かなかったりで雁字搦めになって難儀ですよ。CDの原盤源買う時いつもそう思うんですけど、会社の人は全部自分で責任取られない人ばっかりやから、話を詰めていっても「上司に諮りまして」って言われてそこで全部つぶれてしまうんです。これからの時代、「上司に諮りまして。」って言うよりも自分の責任で動ける人間がいてる会社じゃないと。だから会社は小さくならんとあかんと思うんです。そして小さいところがインターフェイスになって一緒に仕事すれば面白いんと違うかなって思うんです。  

 今は、商店街に元気がない時代です。でも、言ってみれば商店街こそ小さい企業の集まりでしょ。どうやったらかつて商店街にあった活気が取り戻せるのか。それを考えるとやっぱりまず、自分のところで作るもんやないとあかんと思います。オリジナルって言うやつですね。自分のところで定価が決められるじゃないですか。人から買って人に流す商品っていうのは、これから絶対大手には勝てません。
 それともう一つ、どうやって人が、それを買いにそこまで来てくれるかってところです。わざわざそこまで来てくれる、あるいはインターネットやったらわざわざそのページを見に来てくれる、その仕掛けを考えないといけません。「そんなん言うたって、あかんわ。」て言う人もおると思いますけど、こんな時代です。チャンスかピンチかは捉え方次第なんやと思います。   

新世界市場朝景
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