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キュピキュピのように同じメンバーでずっとやっていくというのも楽しいし、その都度その都度新しいスタッフで作っていくというのもまた別の楽しさがあるので、両方やっていきたいなあと。キュピキュピは活動はじめてからもう7年目になるんですが、自分達でお金を出して、作品の権利も自分達で持っていて、好きな時に好きなことをするというように自由に続けてます。その反面、どこからも出資を受けてないので、常に予算的には厳しい状況。新作を作るにしても、あまりお金もかけられないし、DVDを作りたいと思ってもなかなか実現出来なかったりはしますけどね。それぞれ違う分野の4人だから、アイデアを出し合って作っていく時も自分一人で決めるときとは違う。ずっと同じメンバーでやっているので話も早いし、グループだからこそ出来ることをやっていけたらなあと思ってます。楽しいから続けてるというのが大きいですね。売れてしまって楽しくなくなったらバンドのように解散することがあるかもしれないですけど。

キュピキュピでは今年の3月にはパレドトーキョ−(フランス)とテートモダン(ロンドン)で海外初ライブを実現したようですが、反応はどうでした?

バカウケでしたよ(笑)今回は、自信作だったんです。映像と歌と生演奏とパフォーマンスすべてをシンクロさせた。会場の関係でテートモダンでは正面に1面しか映像は映せなかったんですが、パレドトーキョ−では、横の壁面に3面と正面と合わせて4面の映像をシンクロさせるというものを作ったんです。可笑しかったのは、4面のシンクロさせた映像は、パレドトーキョ−のためにを作ったようなものなのに、95%の観客はじーっと正面のパフォーマンスに集中していましたね。(笑)曲が終わる度に拍手はしてくれるんだけど、演奏中は静かーに大人しく聞いているという感じでした。そんなに真剣に見なくてもノって思うくらい。テートモダンではカフェでお酒も飲めて、たばこも吸えるというリラックスした環境の中でさせてもらいました。ノリもいっしょになって楽しもうという、京都でやる時と同じような感じでしたね。
あちらへ行ける人数も限られていたので、パフォーマー(フィッシュヘッドの3人)は現地で募集して、特訓して、でも日本の曲なのでリズムも違うし、なかなか覚えないんですよ。

バミリオンのDVD売上げは好調のようですが、キュピキュピでDVDは出さないんですか?

考えてはいるんですけどね。5年ほど前にビデオを出しているだけなんで、そろそろDVDとか製作したいところなんですが、さっきも言ったようにお金がかかるから。去年、都築響一さんのキュレーションInternet Museum of Artに新作「Kyupi Kyupi Personal Attack」を作って参加しました。でもインターネット上での映像配信もまだ環境が整っていないから、見れる人も限られているみたいで難しいですね。ネット上でもっと見せていける環境になったら、お金をかけてDVD をわざわざ作らなくてもよくなるんですけどね。

キュピキュピでやる時にはキュピキュピでやる意味があるかどうか?メンバーで考えるんですけど、個人でやる時には自分の人生にとってそれをするべきかどうか、一人で考えなければいけない。そこの発端が違いますね。あと、個人でするものに関しては商売になるようにしてます。キュピキュピでもお金使って、自分の方でも使うだけだったら、先生業を続けるとか、全く別の仕事をして稼がないといけなくなるから。仕事にしようと思うとある程度の規制もあるけど、今はいろいろと理解のある人と仕事させてもらっているので好きなように出来てるんですが、いつまでも実験的なことは続けられないというのはあります。お金を集めてくれたり出資している人が潤うようにならないと。1億使って製作したら1億以上儲ける。やろうとしていることと回収することのバランスはなかなか難しいですけどね。そういう意味でまだ軌道にのっているとは言えないけど、マイキーに関してはもうすぐ回収出来るんですよ。

著作権料が入ってくる?

今はマイキーの人形作って売ってたりもするんですけど、これがドラエモンくらい、せめてクレヨンしんちゃんくらい売れてたら、著作権料が入ってきて映画の出資とかも、キュピュピの活動もやりやすくなる。売れたお金で次を作るというのが一番健全なんじゃないかと思います。無理矢理どこかから出資してもらうとか、助成金とかもらって成立させていくよりも。いくらいいものを作っても、お金出してもらってたら結局権利は出資者のものになってしまいますから。それは悲しいでしょ。

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