log osaka web magazine index
 

 7年前まで遡る。僕たちは、それぞれの仕事が終わった後、毎週集まってはミーティングを行っていた。家具職人の荒西浩人、調理師の戸倉健二、映像作家の豊嶋秀樹、大工の野沢裕樹、デザイナーの服部滋樹、アクセサリーデザイナーの松井貴の6人である。ミーティングの場所は、現在改装工事をほぼ終えようとしている中之島公会堂の正面階段である。

  大阪をベースに活動することを前提にしていた僕たちにとって市の中心である中之島でミーティングを行うことは、我々が商都大阪にいることを再確認させた。そして、両脇を流れる堀によって、中之島全体が一つの大船のようにも見え、それが我々の向かう未来を約束してくれているようにも思えた。

 約1年ほどのミーティングでそれぞれの意志を確認しあった後、1997年に始めてのイベントを当時まだオープンして間もなかったコンテンツ・レーベル・カフェにて行った。店内の照明を全て僕たちの制作した照明器具に付け替え、特別に制作した什器にオリジナルアクセサリーを陳列し販売した。そして、僕たちの活動コンセプトを物語るための映像を店内にプロジェクターで投影し、DJブースを設置し、音楽を自ら選曲した。

  結局、このイベントは、僕たちの予想を遙かに上回る動員を記録し、わずか4時間の間に400人近い人々が会場を訪れ、アクセサリーに関してはほぼ完売といった状態であった。今までになかったスタイルで開催されたこのイベントの成功によって、僕たちは、自分達の選んでゆく道を確信した。その後、ブルーナイル他で同様のイベントを数回行い、翌年1998年4月、大阪・南堀江に最初のショールーム"graf"をオープンさせることとなった。そして、その半年後、制作のためのアトリエとデザインのための事務所"graf"labo.を大正区に構えた。


 
←back [2/6] next→

 

HOME