log osaka web magazine index

模擬店

もともと芸祭の模擬店は、お酒や食べ物を出すだけで店構えはシンプルなものだったのですが特にイベントが多く芸人色の強いバレー部では、伊達さんが2回生の時、凝った模擬店を作ってみようということになり、当時アメリカで流行っていた忍者映画をもとに「西洋人が見たキッチュで微妙にずれた日本」というテイストでお店を作ることになった。カタチの変な灯ろうやちょうちんがあったり、かっぱやかかしの格好をした店員がいたり。特筆すべきは、店員が忍者の格好で襖の奥からどんでん返しで豚汁を運んでくるといったからくりがあったことだ。

それ以前はこんな風に凝ったお店を作っていなかった?
「当時として忍者屋敷はエポックメイキングなものだったと思う。それ以後、あるテーマに基づいてデザインを考えたお店が出るようになったしね。」

次の年はどんなお店を作ったんですか?
「次の年かどうか忘れたけど“世界の金持ち”という名前の店がありました。これは名前に反してどれだけお金をかけずに高級感が出るかというのをねらった店で、当然中途半端でちゃちなもの仕上がってて、周りからは「あたりまえじゃー」って大笑いされたんだけど、そのキッチュな感じが狙って出せたというところがたまらなくおもしろかった。その時、隣では別の模擬店が高級料理屋をするために、プレハブ小屋をレンタルで借りてきて作っててんけど、「あそこでお金をかけるのは模擬店制作の精神に反する」と思ったんですよね。

 お金というものをどう扱うかということは根本的な問題やと思う。お金をかけずにいかに面白いものが作れるか?考え出せるか?っていうところやねんね。そういえば、東京芸大生やった僕の知り合いが、卒業制作展のために考えられへんような額のお金をかけている話を聞いたことがあったんだけど、どうも習慣的にそうしているだけのようなところがあって、お金をかけたんだけど効果ということをちゃんと考えているのか?という疑問がよぎった。探せば安価で豊富な種類の材料も手に入るのに、東急ハンズで大量に買っちゃうとかもちょっとね…。やっぱりプロセスは大事やで!

 

←back [3/5] next →

HOME