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小粒のメセナ?個人の趣味?アートを支える多層なアクターに突撃


#2:エコールCP×稲垣智子

「食べることは、価値観を作ること」−エコールCP主任教授 北村佳裕 さん(yoshihiro kitamura)
○エコールCP所在地:〒650-0023 神戸市中央区栄町通3-5-1(元町校舎)http://www.ikusei.ac.jp/index.html 学校法人育成学園の総称。調理の専門学校を神戸市内外に多くもつ。飲食業界等との産学一体となった教育方法の開発を試みるなど、現場に役立つ独自の教育を特長とした展開を行っている。北村さんは同校の前身のひとつ 育成調理専門学校を1960年に卒業。その後、宝塚ホテルでシェフとして30年勤務し、2002年からエコールCPに勤務。T−本日はお忙しい中ありがとうございます。稲垣さんの作品制作に協力された際のことを伺えますか?K−もう2年も前のことですし、思い出しながら話しますね。T− まず、この学校で北村さんはどのようなお仕事をなさっておられるか教えていただけますか?K−エコールCPとの愛称をもつ神戸国際調理製菓専門学校では、実習がメインの授業であるシェフ科と、製菓衛生師の資格がとれる本科の2コース制が本校のおおまかな枠組みとなっています。シェフ科は40人程度のクラスですが、その中で10名が専攻する製パンのクラスが1つと、1クラス15名が専攻する製菓のクラスに分かれています。私は、このシェフ科の製菓実習のクラスを受け持っているわけです。T−15名の学生さんの動きをくまなくチェックしなくてはいけないのですから、大変そうですね。北村さんは長い間、先生としてお菓子つくりに携わってこられたのですか?K−いやいや、私が学生に教えるようになったのは、ちょうど稲垣さんの作品づくりを手伝う、ほんの数カ月前からでした。それまでは、30年間宝塚ホテルでパティシエとして働いていたんです。T−では、2年前に技術協力をなさった時は、現場での知恵とノウハウをいかに学生に伝えようかと考え始めたばかりだったのですね。K−まだ新しい職場にも慣れていなかったですね。だから、実は最初にお手伝いを頼まれた時は、正直「どうしようかなぁ」 と悩み、お断りしようかと思いました。でも、稲垣さんの希望が「耐久性のあるお菓子を作りたい」というものだと学校の教務部から聞いて、自分の技術の範囲で手伝えるかもしれないと感じました。それで、ひとまずお話しだけでも聞いてみようと思い直したのです。T−耐久性のあるお菓子作りが北村さんの得意技だったのですか?K−私はこの学校にくる前にホテルに勤めていました。ホテルでは、ブライダルフェアとか、結婚式を行いますよね。イミテーションや保存ができるものは日常的に作っていましたよ。特にイベントで料理展示になると、丸一日熱い照明に耐え、人の目を楽しませ続ける料理を作る必要があります。展示期間が稲垣さんの作品では一ヶ月に増えるわけですが、見た目が変わりにくいお菓子を作る基本は同じですから。

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