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日々是ダンス。踊る心と体から無節操に→をのばした読み物


29 小鹿由加里インタビュー



CIMJ
「いろんな人や分野がコンタクトを軸にクロスオーバーするプロジェクト。イベント性を持った”プロジェクト”をつくる」


森本 8月に滋賀会館でやるCIMJ(Contact Improvisation Meeting Japan)は、小鹿さんがバカなコンタクト(笑)のカンファレンスで、しかも『茶水』も入ってきている様子。これまで小鹿さんがやってきたことが、どんどんひとつにつながっていっている。

小鹿 CIMJは、コンタクトバカなのがおおっぴらにできる企画ですね。ここ3年くらいの間にコンタクトに興味を持つ人の幅が増えてきたことを受けて、コンタクトが持つ表現の幅や社会との関わりについて、ワークショップやダイアローグで検証しようという企画です。


 
  CIMJ: Contact Improvisation Meeting Japan in Shigaコンタクトだよ全員集合!2007年8月8日〜11日  会場:滋賀会館http://www.cimj.net/プログラム:イクスチェンジ・ワークショップ      ロビー・ダイアローグ      ダンス・ツアー主催:財団法人滋賀県文化振興事業団共催:京都の暑い夏事務局
 
小鹿 「イクスチェンジ・ワークショップ」はコンタクトを用いた表現の幅を探り、講師同士が持っている伝え方を交換するワークショップです。「ロビー・ダイアローグ」は、地方やさまざまな分野において、コンタクトが行われる環境はどうあるのか、求められてものは何かを考える場。そうそう、ここでは「茶水」が盛り上げ役としてカフェをオープンさせます。「ダンスツアー」は単純に楽しんでもらえるイベントですが、滋賀会館という場所ならではの作品が鑑賞できるでしょう。
 またCIMJでは、場に関わる人の種類を増やそうと考えています。そのひとつが茶水で、食の側から関わる人。そしてもうひとつがドキュメンテーションのボランティアです。これは、ワークショップやダイアローグの文字記録をするスタッフなんだけど、感覚的なものを言語化することや、記録する重要性を知ってもらいたいし、ドキュメンテーションすることで、ワークショップを受けたり、話を聞いたりするだけではできない面白さを味わってもらえると思う。意識のあるボランティアさんなら、単なる奉仕労働とはとらえずに価値を見いだしてくれるのではないかと思います。


つなげる力
「制作者って“つないでいく”ということが求められるんじゃないかと思う」


小鹿 制作者って“つないでいく”ということが求められるんじゃないかと思う。たまに私が主宰している企画制作事務所のunderlineという名前をpipelineに変えようかなと思ったりもするくらい。制作者には誰がどこでどんな活動をしているのかを知り、つないでいくことが求められると思う。
 ダンスを伝えたいと思ったら、ダンスが他の何とつながることができるのか、どういう対象との可能性があるのかを、企画として打ち出せる方法を考えるから、それにはつながりを知らないとできない。

森本 その辺は小鹿さんがフリーの制作者だからこそつないでいける部分かもしれない。

小鹿 確かに。劇場やアートセンターなどの組織に所属することで成り立つ制作の仕事も大事なんだけれども、フリーでやっているメリットは、いろいろな組織やジャンルとの恊働作業をする中で、組織ごとの違いを客観的に捉えられるようになること。そこをもっと生かして、異なる性質の組織や分野をつなぎ、新しいコトをつくっていきたいですね。

森本 今日はありがとうございました。

                                    (2007年6月22日 塩屋)

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