log osaka web magazine index

フェスティバルゲートで活動する4つのNPOの検証と未来に向けてのシンポジウム


第三回シンポジウム



 
  左から座席順に雨森、甲斐、大谷、上田大西さん、半田さん、近藤さん、坂田さん、曽和さん
 
甲斐
 ざっとこの3年弱を、大急ぎでダイジェストで見ていただいたんですけれども、ご覧になられた風景も過去におありだったかと思うのですが、何か思われたことなどありましたらコメントいただけたらと思うのですが。

半田
 正直言うて、いまの映像見せていただいて、びっくりしました。ここまで地域の人をね、くるんでいいただいて、いろいろと考えてやっていただいてるんだなあと、先程から見とって感心しとったんですけれどもね。……以上ですなあ。(会場笑)

近藤
 さきほどご紹介いただいた近藤と申します。僕は、関わっているというよりか、いろんなことで大谷さんや雨森さんからいろいろ相談受けてました。新世界のトップは半田さんですんで、あまりでしゃばったことはできないんで、いろいろ橋渡しをして。ブレーカーなんかでも、新しくつぶす店あったら、あそこありますよーて言うたり、そういう役目をしとったんですけれどもね。新世界の人はいい人多いんで、雨森さん行かれても結構協力していただけたと思うんですよ。ですけどもまあ、さっきの野点なんかのことで警察に一緒にお願いに行くとね、堅い係長がおりましてね。全然言うこと聞いてくれなくて、なんで道でこんなことをする必要があるんやと、まあそういうことを言いますんでね。今回係長代わってますんで(会場笑)、これからまた変わっていくと思いますけども。
 まあそんなんで、地元としては一生懸命、僕はこういうのも見せてもらったし、実はダンスボックスさんに行かせてもらって、新世界生まれの新世界育ちですんで、ここにこういうのありましたよとか、新世界のことをみなさんにお話したことがあったり。ほんとのこと言うて、コンテンポラリーダンス、なんのことかわからないんですけれども。わからないなりに、マイナーで、いろんなところで浸透していろんなファンがいるんだなあということは十分理解できますんで、これからもがんばっていただきたいと思っています。

甲斐
ありがとうございます。

坂田
 どうも。あの、この場所でこういうことがおこなわれていることを全く知らなかったわけですね。前回、二回目にちょっと後半参加させていただいて、皆さんがたの熱気にあおられて、地元の人間として、これだけ皆さんががんばっておられるのに、何か応援することができないかとちらっとよぎりまして。この場所は新世界の町会連合会と、もともとここは車庫の跡地だったんですね、長いあいだ野原で置いてあった、我々としては何もないよりも、ここへ何かを作って欲しいと再三大阪市と交渉した結果、現在のこういう建物ができたと。4つのNPO法人の方がこんなに頑張ってはるのに、何かしらひとつも応援できてないんじゃないかと、こういうふうに考えましてね。ここで文化の発信をしていただいているということで、われわれ地元としても何か応援する方法はないんかなと、わたしは考えております。

曽和
 私さきほど芸術がどうのこうのと難しい話をしたんですけども、実際、日頃写真も写してます。作品も作ってます。またバンドもやって活動もしてます。そのたてまえで、ちょっとこう、芸術がどうのこうのって生意気なことを、ちょっとしゃべらせてもらったんですけども。まあ、この4団体の方のやっていることちゅうのは、なかなか理解できない(笑)。で、2回、じんじんさんと伊達さんのウクレレもおつきあいさせてもらったんですけども。最初突然来られたときには、なにがなんかわからんね。意味がわからん(笑)。まず「それはなに?」から始まってくるわけですね。で、ずうっと関わってくる最後ぐらいに、「いやー、そういうこともあるか」というかたちで、なんとか理解(会場笑)、自分の中で納得できるぐらいの。いわゆる僕らの理解をこえてるくらいの芸術性がある。これはすばらしいんですよね。それがほんとの、僕は芸術やと思います。範囲内でやってる芸術なんかはね、芸術じゃないんですよね。未来に向けた芸術いうのは、いま現在僕らが、僕らの頭の中で理解できてるもんの上やないと、いかんと思います。今この4団体の方がやってられること、すべて理解しにくい。その点でですね、すごいことやと思います。あと十年、二十年後には、これが普通のことになってくると思いますよね。だから地道な活動が大事。先程、もう二年、三年前から(新世界アーツパーク事業を)やっておられるということをお聞きしたんですけども、他の団体の方の活動は、僕実際見さしてもらってないし、今日初めてお会いした方もあります。だから地域密着であって、その、地域の方がそれに参加してるかというと、地域の方が──まあ、新世界ですけども──、じかに参加してどうのこうのっていうのは、ないんですよね。新世界の中の人で、わかってて参加されて、それがだんだん増えてるかというと、そうではない。まあ、踊りのことでもなんでも。これはもう、最初からはそれは無理なんです。今日みたいなこういう活動は、ゆっくりやっていけばお互い理解もできる。さっきもちょっと話してたんですよ。そうやってちょっとは理解したから、彼らはこういう問題に直面してるんやから、自分らでできることは何かなぁということも、話が始まってるわけですよね。なら、じわじわと、そういう活動を続けてほしい。例えば、ここでの活動ができなかっても、いまの4団体と新世界の関係が切れるわけやないから、それはじっくり新世界という場所を利用していただいて、活動は続けていただきたい。それだけですね。よろしくお願いします。がんばってください。(拍手)

甲斐
 ありがとうございます。大西さん、コメントいただけますでしょうか。

大西
 あんまり文化的なこと言われると難しすぎてわからないんですけども、あの、新世界、まあ僕自身が感じている新世界なんですけど、まあとにかく変わったとこですわ(会場笑)。前におられるこの5人もたぶん変わってると思うんですけども、もひとつその上をいく、もひとつ変わった人たちがなんかこう入ってきてね。僕もあのー、曽和さんと一緒で、この人たちと一番はじめ会うたときは、変なやつ来たなと(会場笑)。これ、前の会合でも、僕、それ言うたことあるんですけども、変わったやつ来たな言うてる自分も変わってるんやという風に、だんだん思えるようになってきたんです(笑)。というのは、新世界自体がそういう町、ていうかね、そういう風土を持ってるっていうか。よう考えてみますと、あの、大阪の中にあって、大阪らしい、昔からね。今現在ね、もうキタやミナミというてもね、東京の繁華街とほぼ一緒ですわね。ただこの新世界は、まあ言うたら、島国みたいなもんですよね。要するに、大阪の中にあって島国みたいな。区画見てもろたらわかりますよ。ほんまに、区画された島みたいな感じのとこなんですね。そういうところに住んでる風土もさることながら、集まってくる人間がやっぱり変わった人間が多いんですね。ほいで、そういう人間は、どない言うか、何でもありなんですよ、言うたら。私も好き勝手なこと、こっちも好き勝手なこと、あの人も好き勝手なことやってる。いろんな人が集まってくるような、ちょっとした風土がある。そういう風土があるもんやから、たとえば、前ね、北海道の若い子が訪ねてきましてね、その人とちょっと話したんですけども、ひどくカルチャーショックを受けたっていう、そういう人なんですね。何を言うてるのかようわからんですけどね。要するに、僕らまあ住民ですから、もともと住んでますからそんなこと全然わからないんですけども、その人に聞いてみますと、なぜカルチャーショック受けたかいうと、もうとにかくこの町は、ほかの町にないものを持ってると。たとえばジャンジャン町でいいますと、ふつうの商店街でしたら、たとえば肉屋さんとか果物屋さんとか想像しますね、商店街というのは。そう想像するんですけども、麻雀屋が3件か、それから将棋屋さんが2件ですわ。そこで将棋うってる人もいるんですけども、道路側の窓からですね、窓からのぞいてですね、あの手はあかんとか、この手はあかんとか(会場笑)という風な会話を、また、その会話を後ろから聞いて喜んでる人もいるんですわ。そういうところを見てね、非常にカルチャーショックを受けたというような町が、要するに新世界なんです。だから、今、ここにおられる団体の方々がやっておられること、これ非常にいいんじゃないかというふうに思います。さっき(第一部の)NPOの若い人がね、ちゃんとできない人ってなんか言うてましたね、ちゃんとできなくてええんですよ。そんなんでも受けいれる町が新世界だという風に思います。(拍手)

半田
 外国人の方がね、新世界に来るんですわ。その人らとちょっとお話をする機会があってね、いろいろちょっとお話をしたらね、ずっといろいろ日本をあちこちまわっておられるんですな。ところがやね、この町に来てね、強烈な印象を受けたと言うんですわ。ほでね、おそらくね、帰ってもこの新世界という場所をね、見た強烈な印象が、その人たちも帰っても残ってると思うんですね。それだけにね、この新世界いうところはね、さきほどからいろいろ話がありましたけども、まあ私たちは、飾らない庶民的な町ということで、ここでもう私たちはここで生活していてかえってピンぼけみたいになってるとこがあるけどね、外部から見たらね、やはり非常に印象を持たれるんですね。以上です。

甲斐
 逆に国際性があるわけですよね。

大西
 新世界を英語でいうたらニューワールド。それだけ言いたかったんです。(会場笑、拍手)

近藤
 あの、ちょっと話がね、だいぶずれたと思うんですね(一同笑)。僕ね、まあ大谷さんとかいろんな方とお話させてさせてもらって、さきほどの、なんで新世界が、っていう話をされてましたけどね、これ、ここの図で、僕、ああこれ大谷さんの言うとおりやと思ったんは、まあ動物園があったり美術館があったり、もちろんフェスティバルゲートがあったり通天閣があったり、ジャンジャン町があったり。まあ、これ「町」と変えといてくださいね、「横丁」と書いてるやつを(笑)。

大西
 「横丁」でもええんぞ。(会場笑)

近藤
 いやー、あんなもん、メインストリートやのに、なんで横丁やの(会場笑)。はい、あの、まあそんなんでね(笑)、あのーそういうことで、新世界にぜひとも、先程言うてはったように、新世界から場所が変わっても新世界から切れないという、そんな話もしてましたけど、まあ、大谷さんのお話で、新世界にあるべきなんだ、というお話をあとで聞かせていただいたんで、それはいろいろ半田さんとも言うてたんですけども、いろんなかたちで協力させてもらうということで、まあ地元はそういう形で固まれると思いますので、よろしくお願いします。

甲斐
 ありがとうございます。はい。で、えーと、このまま終わろかなと思うぐらい(一同笑)。予定ではね、その、僕らいま大阪市さんのほうから、8月末までにここを出る、出えへんということを考えてほしいということをいわれてる途中なんですね。で、理由というのはいくつかあって、ここが交通局の持ち物ということ。先程の、大っきい大家さんと小っちゃい大家さんの、いろいろ問題があるんですけれども。じゃここが、オリックスが新聞で報道されたように撤退したとなって、予定では平成19年の7月には、もうここは閉鎖する可能性すらあるっていうのが、漏れ聞こえてきてると。これ閉めるのは、また、そんなあほな話はないやろと思ったりもする側面もあって、そしたら僕らの方で、このフェスティバルゲート全体をどういうふうに再生すればよいのかというプランを考えたんですね。まあそのプランは、絵に描いた餅というか、実現可能性のある絵に描いた餅なんですけども、そんなのをNPOの方で考えたので、一度見ていただけたらなあと。引き続き、この場でやらねばなあ、と思います。2回目のときに一度プレゼンテーションというかたちで見ていただいてる方もおられると思いますので、おいおい2回目やんけというのもあるかもしれないんですけども、どうかご勘弁ください。で、本来ゆっくりやっていくもんでもあるんですが、2回目に引き続き、めっちゃスピードでいきます(会場笑)。時間ないので大急ぎ、です。では行きます。

---プレゼンテーション---
##「創造都市シミュレーション」の内容は、下記よりダウンロードしていただけます##

newworld_hills.ppt.zip(Power Point書類をZIP形式で圧縮。約7.5MB)

---プレゼンテーション終了---

で、ここで可能性です。要するにこういうことなんですね。ビジネスとかコミュニティとかアートとか、そういうものがこういうふうに混ざった場所がここにあれば、さまざまな流通、交流が生まれて、地域の人もアートと関与しながら、パブリックのサービスも受けながらっていうこともできるし、逆に外から来た人も、コミュニティの方に近づいていけるというか。そういう交流ができるモール、みたいなものってあってもいいんじゃないかなあ、というのが、僕たちがつくったプランです。で、むちゃくちゃな話、僕たちはこれをもとに市長の表敬訪問っていうのをしたいと思って、いまお願いを正規ルートでしているところです。まだ最終のご返答をいただけてないのかな?とにかくそういう方向で進めていきたいと思っています。
 で、すいません。これは一応これで終わりなんですけれども、いかがですか?(一同笑)こんなんあったらええなあ、という僕らなりのプランなんですけども。

半田
 今回は三回目のシンポジウムということですが、私は一、二回目ともゲストトーカーとしてお誘いを受けておりましたが、他の会合と重なり欠席しました。今日初めて寄せていただきましたが、先程一回目の時のお話を伺い、佐々木先生、大谷さんのお話を聞いて、まあ確かにと思ってるわけで、我々新世界町会の人たちは、この芸術的な事にはまったく無知なので、今私は恥ずかしい思いでおります。
 この場所は、新世界の活性化のためには、ここをどうしても活かさないとだめだと思っているわけで、この場所は先程も話があったように、交通アクセスも非常にええとこやし、企画さえよければ絶対に人が来ると思っています。いままで全体的な話からっすると、これはやっぱりオール大阪市として取り上げていただかないかんなと、感じを持っているわけですし、地域住民の我々としても、これはバックアップしていかないかんと思ってます。まあ、時と場合によったら署名運動までしてもバックアップしていかないかんという気になっとるわけです。それには地元新世界町会連合会の役員会の承認を得なければなりませんが、未来の文化創造都市を考えると、ここを大阪の拠点として、将来のシンクタンクとして出発していただきたいと思っております。以上です。(拍手)

甲斐
 ありがとうございます。

近藤
 まあ、あの、連合会の代表がこういうふうな発言をされたんで、まあ今後は、大船に乗ったつもりでがんばってください。(会場笑)

雨森
 きのう澤野工房の澤野さんに偶然お会いして、ちょっとお話ししてると、澤野さんもフェスティバルゲートでライブを、年に二回ぐらいやりたいなあというふうにおっしゃってて。そういったホールがここにあったらいいのかなあ、というようにも思っています。あと、大西さんもされてる夏のふれあいコンサートというのも、二階の広場のところで、今年で4回めで、8月の終わり頃、8月の20日土曜日に3時から開催されます。というようなことで、ここに地域の方も使えるような、そういったホールですとかスペースが、開かれた場としてできていくともうちょっと、活性するというか利用されるのかなというふうに思います。あの、他に、ここにこうスペースがあったらいいのというのがあったらば、そういうのもぜひ盛り込んでいけたらいいな、と思ってるんですけど。

甲斐
 今後とも、意見を聞かせて頂けるような機会を、またいただければと思います。で、他にコメントある? ない? えと、要するにこういうプランを立てるということは、さきほどの大っきい大家さんと小っちゃい大家さんと店子、僕ら一番下といううことを考えたら、小っちゃい大家さん飛び越えてこんなことを言ってしまってる、いう事実もあるんですね。おいおいちょっと待てという動きというか感覚もあるわけで。小っちゃい大家さんを飛び越すなよという話もやっぱりあるんですけども、ここはいっぺん飛び越さないと伝わらないというので、僕らわざわざ、やってみよういうてやってるところです。
 あとまた、地域の人々と、こういう場所で特別な機会を持って会っていくということは、僕らは僕らで地域の人たちの思いを引き受けていくということは、気持ちのなかにぐーんと、なんていうんやろな、根付いていく感覚を、僕なんかは持っているんですけども。時間かけて焦らずに、ほんとはやっていきたいと思っています。
 なんかありますか、コメント? 大丈夫? じゃ、これで2部を終わらせていただくかたちで、このまま質疑応答がありましたらご返答させていただきたいと思います。ちょっと時間押してますので、ちょっと短めになるかもしれませんけども、ありましたらお手をお挙げください。お願いします。ほう、ない? すごい。なんか、みんな、疑問点なし? 気持ちがいい状態(一同笑)。
 じゃ、このまま気持ちのいいまま終わりましょうか。はい。で、ごめんなさい。えと、このまま僕たちは、1回め、2回目とご説明させていただいてる、さきほどちょろっとお伝えしたように、8月末に、ここを出ていくのか出ていかへんのかということを返事をしなさい、といわれている立場です。ですから、ここから、こうやって開く形で場を持つということを、いったんここでとどめて、事務的な話を担当部局さんとしていきます。で、またそれがどうなっていくのかを踏まえて、ちょっと時期が決まってないし、それがどういった報告になるのか、わからないですけども、ご報告させていただく機会をつくりたいなあ、とは思っています。簡単にいうと、乞うご期待というか、どうなるものやら、お楽しみです。ひきつづきご関心を向けていただけますと、うれしいかぎりです。今日はどうもありがとうございました。(拍手)

>>次のページに、実行委員会からのあいさつがございます。

<< back page 1 2 3 4 5 6 next >>
TOP > 新世界アーツパーク未来計画シンポジウム > > 第三回シンポジウム
Copyright (c) log All Rights Reserved.